ETC車載器のセットアップは重要なことがわかりました。ところで、ざっと調べると、その費用は3000~5000円ぐらいが相場のようです。すごく高い訳ではありませんが、車載器自体の値段が1万円代のものが多いことを思うと、無視できる金額ではありません。
先に述べたように、セットアップとは、車載器の登録です。ではどこに登録するのでしょう?
それが、ETC便覧という立派な冊子(オンライン版ですが)も発行している、ITSサービス高度化機構(ITS-TEA)というところです。
このETC便覧によれば、セットアップ代理店は、ここと繋がっている専用端末で、必要な情報を登録します。更にITS-TEAからはセキュリティ確保のための鍵情報(ザックリ言えばパスワードみたいなもの)を受け取り車載器に書き込むのです。
セットアップ費用のほとんどは、実際に作業をする代理店の手間賃や、専用設備の費用にあてられます。唯一、セットアップ情報発行料という名目のお金がITS-TEAに渡ります。
その額は先のETC便覧には明記されていませんが、ITS-TEAの令和4年度事業計画によれば、特別割引(還元)があって、1件120円です。
なんだそんなものか、とも思えてきますが、年間700万件のセットアップをしているとして、ざっと8億円以上がITS-TEAに入るわけです。結構な額です。
しかも、これ、特別な還元策が実施されており、本当の値段は、ETCで500円、ETC2.0で650円なのです。すごい値引きですね。
注:ETCとETC2.0の違いについてはいずれお話することがあると思いますが、有料道路の通行料金を払う、という点についてはどちらも同じです。
これだけの値引きをするということは、かなり儲かっているのでしょうか。しかし、残念ながら、ITS-TEAのホームページを見ても確かなことはわかりません。ただ、令和3年度貸借対照表によれば現金預金だけで30億円近くあることがわかります。
これだけのビジネスを独占的にやっているのですから、世間の社長さんなどにすれば、羨ましくてしょうがないでしょうね。
しかし、彼らもただお金を集めている訳ではありません。当然ながらセットアップのためのシステムを常時異常なく運用する必要がありますし、次世代に向けた様々な技術の開発も行っているのです。